近年、20年以上続いたような長寿番組や大物MCの冠番組が突如として終了を迎える事例が相次いでいます。表向きは「番組の節目」「発展的解消」と発表されるケースが大半ですが、その水面下にはテレビ局が直面する切実な台所事情があります。
降板劇の最大の引き金となっているのが、広告主であるスポンサー企業が求める「コア視聴率」への完全移行です。世帯視聴率が10%を超えていても、視聴者の大半が60代以上である場合、購買意欲の高い若年層にリーチしたいナショナルクライアント(大手広告主)はCM出稿を敬遠します。高額なギャラが発生する大物MCの冠番組は、世帯視聴率が高くても広告収入が見合わないという赤字構造に陥りやすいのです。
さらに、番組制作費全体のカットも拍車をかけています。大物司会者1人に支払う1回200万円以上のギャラがあれば、中堅MC(80万〜100万円)を起用した上でセットやロケ企画に予算を回すことができます。「高コスト・高年齢層向け」となってしまった冠番組の打ち切り経緯には、こうした経営判断と編成改革の冷徹な計算が働いています。