大山ねずの命神示教会の真実の姿を知るには、本部が位置する現場の空気感と、実際に教団を離れた元信者たちの証言に耳を傾ける必要があります。
神奈川県横浜市南区蒔田町。横浜市営地下鉄蒔田駅から地上に出ると、住宅街の中に突如として現れる巨大なモニュメント風の建築群が目に入ります。「真実の光(みち)会館」をはじめとする関連施設は、厳重な警備態勢が敷かれており、部外者が無断で立ち入ることはできません。しかし、教団は地域との断絶を避けるため、毎年夏には「ふれあい夏祭り」を開催して屋台を出店したり、未信徒を対象とした集会「ひまわりの会」を催したりするなど、地域融和を図る活動も展開しています。
一方で、過去の歴史と元信者の手記に目を向けると、深刻な影も浮かび上がります。1987年に起きた信者間での暴力・致死事件(いわゆる元信者リンチ殺人事件)をはじめ、過去には教団内の厳しい戒律や指導方針をめぐる社会問題が大手紙で報じられました。脱会した元二世信者の男性(40代)は、当時の苦悩を次のように証言しています。
「物心ついた時から親に連れられて横浜の本部に通っていました。『神示(神からの教え)』に従って生活することが絶対とされ、進路の決定や結婚相手の選定に至るまで教会の教理が優先される環境でした。外の友人関係との間に常に壁を感じ、思春期には激しいアイデンティティの葛藤がありました。成人後に教団を離れましたが、家族との心理的な断絶を修復するには10年以上の歳月を要しました」。
信者にとっては「人生の道標」「心の平安を得られる場」である一方、家族関係の歪みやお布施・寄附金の負担、二世信者の選択の自由という観点からは、深い傷を抱える人々が存在することも否定できない事実です。