「きゅるきゅる」というタイトルが想起させるのは、瞳を輝かせる少女漫画的なオノマトペや、カメラアプリで加工された無菌の「カワイイ」世界です。しかし、歌詞の幕開けから投げつけられるのは、あまりにも痛烈な現実への違和感と、自己否定が入り混じった生々しい言葉の数々です。
主人公が対峙しているのは、自分を都合の良い偶像としてしか見ない「退屈な男」たちや、世間が求める「無害で可愛い女の子像」です。歌詞に描かれるのは、他者からの承認に飢えながらも、安っぽい共感で消費されることへの激しい嫌悪です。可愛く着飾る行為そのものが武装であり、同時に自傷行為でもあるという引き裂かれた乙女心がリアルに描かれています。
タイトルの「きゅるきゅる」という言葉は、愛されたいと願う媚びのポーズであると同時に、内臓が軋むような精神的な苦痛の音とも解釈できます。表面上のポップさでコーティングしながら、内側に剥き出しの人間性を潜ませる二重構造こそが、多くのリスナーの急所を突く最大の理由です。