保存館の魅力は、断層を眺めるだけに留まらない。隣接する北淡震災記念公園の敷地内には、当時の激震を疑似体験できる「震災体験館」や、倒壊を免れた「メモリアルハウス」が併設されている。再現された被災直後の民家に入ると、傾いた柱や乱雑に散らばった家具が、震度7の揺れがいかに逃げ場を奪うかを物語る。
映像シアターでは、激動の震災当日のドキュメンタリーが上映され、被災者の生の証言が胸を打つ。また、地表の割れ目を科学的なアプローチで解き明かす解説パネルは、子どもから大人まで直感的に理解できるよう工夫されている。科学的な知見と人間ドラマが交錯する空間設計が、訪問者の心に深い印象を刻み込む。