「大船渡魚市場はプロの買受人や漁業者専用の閉鎖的な施設ではないか」という懸念を抱く方は多いですが、結論から言えば、一般来場者の見学および飲食利用は公式に歓迎されています。2014年に竣工した現在の新市場棟は、国際的な衛生管理基準であるHACCP(ハサップ)に対応した閉鎖型構造を採用する一方で、地域に開かれた観光・交流拠点としての役割をあらかじめ組み込んで設計されました。
施設内のゾーニングは明確に分かれており、一般利用におけるルールは極めて合理的です。水揚げされた魚が並ぶ1階の卸売場フロアは、外気や害虫、雑菌の侵入を防ぐ高度衛生管理区域のため関係者以外立ち入り禁止となっています。しかし、2階と3階には無料の一般開放エリアが整備されており、来館者は専用エントランスからエレベーターで自由に上がることができます。
2階の見学デッキからはガラス越しに広大なセリ場を一望でき、3階には大船渡湾を一望する展望デッキ、三陸の漁業文化や市場の仕組みを学べる展示・多目的スペース、そして獲れたての海の幸を味わえるレストランが営業しています。入場料や事前予約は原則不要で、ドライブの途中にふらりと立ち寄れる開かれた公共的拠点となっています。