アリーナのブロック配置は、出演するアーティストのアイデンティティそのものを映し出す鏡だ。例えば、圧倒的な歌唱力と等身大の歌詞で観客を引き込むあいみょんの公演では、シンガーソングライターらしい親密感を演出するため、アリーナ前方ブロック(A・Bブロック)との距離を極限まで縮めるシンプルなメインステージ構成が多く見られる。
一方で、独自の音楽世界を展開する藤井風のライブでは、会場中央にピアノとステージを配した360度開放型のセンターステージが導入される例がある。この場合、従来なら「後方」とされるD・Eブロックのエリアが「最前列」へと早変わりし、どのブロックからでも等しくアーティストの息遣いを感じられる設計が施される。
さらに、STARTO ENTERTAINMENT所属アーティストに代表される大型アイドルグループの公演では、アリーナフロア全体をぐるりと囲む外周花道や、客席間を移動するムービングステージ、トロッコ用通路が緻密に組み込まれる。結果として、最前ブロックだけでなく、アリーナ最外周や後方ブロックの端席が突如として「超至近距離の神席」へと変貌するのだ。