この重厚なストーリーを見事に仕揚げたのが、ハン・ジュニ監督だ。彼は単なる悲劇の告発にとどまらず、息もつかせぬミリタリーアクションと緻密な人間ドラマを高次元で融合させた。ハン・ジュニ監督はリアルな質感にこだわり、軍隊の生活環境や憲兵隊の追跡ルートを細部まで再現。視聴者を物語の渦中へと一気に引き込んだ。
エンターテインメントとしての緊張感を提供しながらも、根底に流れるのは一貫した社会批評の眼差しである。社会派ヒューマンドラマとして高い評価を得た背景には、加害者と被害者の境界線が曖昧になる軍隊構造の悲哀を、一切の妥協なく描いた制作陣の強い意志が存在する。