森保一監督が率いる現チームの戦術的柔軟性は、歴代の日本代表と比較しても群を抜いています。カタールW杯で見せた強固なブロック守備と電光石火のカウンターをベースにしつつ、現在のチームは「3-4-2-1」と「4-2-3-1」を試合中に対戦相手や戦況に応じてシームレスに可変させる高度な組織力を身につけました。
特に激しさを増しているのが「2列目のシャドー・ウイングバック」の選考です。左サイドは三笘薫の圧倒的な個の打開力に加え、中村敬斗の決定力、前田大然の超人的なプレッシング能力という強力な選択肢が存在します。右サイドでも久保建英と堂安律、伊東純也がそれぞれ異なる戦術的ストロングポイントを持ち、相手ディフェンスにとって悪夢のような交代策を可能にしています。
ただし、本大会を見据える上で最大の懸念材料となるのが主力選手の怪我離脱情報です。過密日程が常態化する欧州カレンダーの影響もあり、冨安健洋をはじめとする守備の要やサイドアタッカーのコンディション管理は常に綱渡りの状態が続いています。主力が離脱した際にクオリティを落とさず戦えるバックアップメンバーの成熟が、トーナメント上位進出への絶対条件となります。