つば九郎の代名詞といえば、一切喋らないスタイルから繰り出される手書きのスケッチブック演出だ。マイクを持たず、言葉を発しない代わりに掲げられるフリップには、最新の政治情勢から芸能界のスキャンダル、さらには自球団や他球団の生々しい内輪ネタまで、ギリギリのラインを攻める毒舌コメントが躍る。
普通のキャラクターであれば即座に炎上しかねない内容であっても、つば九郎が書けば場内は大爆笑に包まれる。この絶妙なバランス感覚こそ、長年の現場経験が生み出した職人芸だ。毎朝のニュースを丹念にチェックし、その日の試合展開や世間の関心事を瞬時にキャッチアップして文字に落とし込む。そのスピード感と笑いの鋭さは、超一流の放送作家やコメディアンすら脱帽するレベルにある。