門前仲町駅周辺では、防災性の向上と賑わい創出を目的としたエリア再生が進んでいる。老朽化した建物の建て替えに伴い、街並みは洗練された表情を見せ始めているが、いわゆる無機質なビル街への画一化とは一線を画す。低層階には昔ながらの個人商店や気鋭のクラフトビールバーを誘致し、街の回遊性を損なわない独自の都市設計が試みられているのだ。
「街の景色は変わっても、隣近所の距離感だけは変えちゃいけない」。駅前で半世紀にわたり乾物屋を営む店主は、店頭で豆を選びながら笑顔で語った。再開発の波を単なるスクラップ&ビルドで終わらせず、深川のアイデンティティを保ったままアップデートする。新旧の住民が自然と交わる広場空間の整備など、現場には確かな息吹が宿っていた。