武蔵小杉のラーメンシーンを語るうえで、この街の急速な都市再開発は切っても切り離せない。東急東横線とJR南武線、横須賀線が交差するメガターミナル駅。ここには毎日数十万人もの人々が行き交う。昼は近隣のオフィスで働くビジネスパーソン、夕方からは高層マンションに住むファミリー層、そして深夜には都心からの帰宅客。客層の圧倒的な多さと多様性が、店側に妥協のない真剣勝負を強いているのだ。
「この街のお客さんは目が肥えている。中途半端な味を出せば、3ヶ月で淘汰される」と、駅近くで創業10年を迎える店主は語る。競争の激化は必然的に味のレベルを引き上げ、評判が評判を呼んで新たな実力派店主を惹きつける。まさに良質なスープが煮詰まって旨味が凝縮されるように、武蔵小杉のラーメンエコシステムは強固なものとなった。