一朝一夕で掴んだ栄光など、どこにもない。テレビで眩しい笑顔を見せるヒコロヒーも、かつては家賃滞納に苦しみ、アルバイトを掛け持ちしながら場末の劇場でマイクを握り続けた下積み時代がある。彼女が魅せる漫才やピンネタの鋭い人間観察眼は、そんな泥臭い日常の現場で磨き上げられたものだ。
やす子もまた、自衛隊時代の苛烈な訓練経験や孤立感を笑いに昇華させ、唯一無二のポジションを築き上げた。苦難の過去を湿っぽく語るのではなく、ポップな笑いと圧倒的な「いい人オーラ」へと転換する強さ。そのバックボーンを知る視聴者は、彼女たちの放つ一言ひとことに深い愛着と共感を覚えずにはいられない。