労働市場全体を見渡すと、こうした口頭での退職匂わせを端緒とするトラブルは増加傾向にある。厚生労働省がまとめる個別労働紛争解決制度の相談件数でも、「自己都合退職」を巡る申し出や意思表示の撤回、職場環境の悪化に起因する紛争は後を絶たない。
また、日本労働組合総連合会(連合)が実施した職場環境に関する意識調査でも、同僚の不満表明や退職匂わせによって「職場の雰囲気が悪化した」「自分の業務負担が増える不安を感じた」と回答した労働者が多数を占めている。個人の甘えと切って捨てるには、労働環境全体に及ぼす影響があまりにも大きいことがデータからも裏付けられている。