次亜塩素酸水の効果を語る上で避けて通れないのが、経済産業省の要請を受けて実施された「新型コロナウイルスに対する代替消毒方法の有効性評価プロジェクト」だ。この検証を担った独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)のデータは、曖昧だった有効性の基準に明確な境界線を引いた。
NITEがまとめた最終報告によれば、次亜塩素酸水がウイルスを速やかに不活化させるためには、極めて厳格な条件をクリアしなければならない。具体的には、以下の条件が必須とされている。
第一に、有効塩素濃度である。流水で使用する場合は35ppm以上、拭き掃除(清拭)に用いる場合は80ppm以上の濃度が求められる。第二に、汚れ(有機物)の事前除去だ。次亜塩素酸は皮脂、ホコリ、血液などの有機物に触れると瞬時に反応して消費され、効力を失う。そのため、対象物の汚れをあらかじめ落としてから、十分な量の液で表面を濡らさなければウイルスを不活化できない。
単に霧吹きで吹きかけてサッと拭き取るだけの使い方では、必要な接触時間と塩素濃度を担保できず、消毒効果はほぼ期待できないことが科学的に証明されている。