彼女の生い立ちを振り返ると、幼少期から性別の違和感に人知れず苦しんできた軌跡が浮き彫りになります。東京都内の裕福で教育熱心な家庭に生まれ、小学校から高校まで名門私立の男子校(暁星学園)で過ごしました。
周囲が男子としてのアイデンティティを形成していくなか、自身の心と体の不一致に激しい葛藤を抱えていたと明かしています。高校卒業後は青山学院大学文学部フランス文学科へ進学。しかし、男性として就職活動を行い社会に出ることへの強い違和感を拭いきれず、大学を一時休学する決断を下しました。
その後、実家を出て自立し、手術費用と生活費を工面するためにアルバイトを掛け持ちする日々を送ります。そして2006年、資金を貯め切った彼女は単身でタイへ渡航し、性別適合手術を受けました。当時のタイは世界屈指の性別適合手術の医療体制が整っており、言語も通じない異国の地で命がけの決断を下したことが、彼女の人生の大きなターニングポイントとなりました。