彼女の代名詞とも言えるものまね芸は、単なる形態模写の枠に収まらない。ホイットニー・ヒューストン、中森明菜、葛城ユキ、八代亜紀――。マイクスタンドを握りしめ、喉を極限まで鳴らしてシャウトする瞬間、舞台上には不思議なトランス状態が現出する。
似ているかどうかという次元を軽々と飛び越え、対象となるアーティストへの狂気的なリスペクトと愛が炸裂するのだ。そこにあるのは嘲笑ではなく、純粋な音楽への傾倒と、それを身体ごと表現しようとするパフォーマーとしての気迫である。哀愁を帯びたハスキーボイスが笑いを誘いながらも、どこか胸を打つのは、彼女が表現の根底にあるソウルを決して手放さないからだ。