ソロ名義と東京事変において、視覚的アプローチのベクトルは明確に異なる。ソロが徹底して個の神話を構築するオペラだとすれば、バンドは5つの個性がぶつかり合うソリッドなアンサンブルだ。東京事変における彼女の装いは、時に全員でお揃いのユニフォームライクなスーツを纏い、時にメンバーそれぞれの個性を引き立てる絶妙なバランサーとして機能する。
鋭角的なベースラインや変拍子のドラムと共鳴するように、生地の質感もまたオルタナティヴ・ロックの乾いた手触りを帯びる。J-POPのメインストリームにいながら、インディペンデントな実験精神を忘れないバンドのスタンスが、ミニマルかつ構築的なカッティングや、どこか軍服を想起させるストイックなディテールに色濃く反映されている。