市販の缶チューハイを手にとった際、缶の裏面表示を見ると「焼酎」と書かれていない商品が多いことに気づきます。ここには、酒造メーカーの技術革新と原材料の変遷が関わっています。
「焼酎」から「ウォッカ・スピリッツ」へのシフト
元々は焼酎を割ることから始まったチューハイですが、現代の缶チューハイの多くは原材料に高純度なウォッカや中性スピリッツ(蒸留酒)を採用しています。不純物を取り除いたクリアなスピリッツを使用することで、果汁本来のみずみずしい香りや酸味を損なわずに引き出すことが可能になったためです。本格焼酎(乙類)の風味を生かしたプレミアム系商品を除き、スタンダードな缶チューハイの主原料はウォッカ系スピリッツが主流となっています。
アルコール度数の変遷:9%ストロングから適正度数(4〜6%)へ
チューハイのアルコール度数は、3%の微アルコールから9%のストロング系まで幅広いレンジが存在します。2010年代後半にはコストパフォーマンスを重視したアルコール度数9%のストロング系が爆発的なブームを巻き起こしました。
しかし、厚生労働省による「飲酒ガイドライン」の策定や消費者の健康管理意識の向上を背景に、主要メーカー各社は高濃度アルコール商品の展開を見直しました。現在では、4%〜6%の適正度数帯が主流となり、食事と一緒に心地よく酔えるバランス型の商品構成へと回帰しています。