川崎のバンクは1周400メートル。一見すると一般的な標準スペックに思えるが、実際に疾走する選手たちの感覚は大きく異なる。みなし直線が58.0メートルと比較的長く設定されており、最終コーナーを回ってからの「差し」や「追い込み」が極めて決まりやすい構造だからだ。
さらに、コーナーのカント(傾斜)のつき方が先行型選手にプレッシャーを与え、ゴール前数メートルでの劇的な逆転劇を誘発する。特に強い風が吹き込む日には自重のあるパワー型が煽りを受け、思わぬ穴ラインが浮上することも珍しくない。競輪の醍醐味と波乱の怖さが、この直線には凝縮されている。