陣痛が最高潮に達し、子宮口が全開大(10cm)になってから分娩台へと移動するプロセスは、多くの産婦にとって「記憶が途切れそうになるほどの極限状態」です。陣痛の波が押し寄せるたび、骨盤が内側から砕かれるような圧迫感と、強烈に押し出される感覚が交互に襲います。
出産の瞬間のリアルな痛みについて、多くの母親が口を揃えるのは「痛みの質が途中で劇的に変化する」という点です。陣痛はお腹や腰の鈍く鋭い絞扼感(こうやくかん)ですが、いざ分娩台での出産の瞬間が近づくと、痛みは「巨大な岩を排泄するような強烈な圧迫感」へとシフトします。助産師の「息を吸って、長く吐きながらいきんで!」という合図に合わせて全身の力を集中させる時間は、まさに人生最大のハードワークと言えます。
そして、赤ちゃんの頭が通り抜ける瞬間(排臨から発露)には皮膚が極限まで引き伸ばされる熱い感覚が生じ、ドクターや助産師の介助によって肩から全身がつるんと滑り出ます。その刹那、それまで下半身を支配していた凄まじい内圧が一瞬でゼロになり、全身を駆け抜けるのは言葉を失うほどの圧倒的な解放感です。