「ナイチャー」という言葉のルーツを辿ると、明治期以降の日本の近代化政策へと行き着く。かつて独自のアジア交易ネットワークを築き上げていた独立国である琉球王国が、明治政府の「琉球処分」によって日本に編入されて以降、沖縄の人々は自らの島を「ウチ(内)」、それ以外の地域を「ナイチ(内地)」と呼ぶようになった。
この「内地」に、人を意味する接尾辞「〜アー」が合体して誕生したのが「ナイチャー」だ。歴史の波に翻弄されながらも、島民が外の世界と自分たちを区別するために自然発生的に生み出した言葉と言える。単なる俗語として片付けることはできない。百数十年を超える社会構造の変化が凝縮された、まさに生の言語文化なのである。