午前9時の開店前、店の駐車場にはすでに十数台の車が列を作る。引き戸が開いた瞬間、漂うのは青々とした草木の匂いと、熟したトロピカルフルーツの甘い香りだ。棚には、今朝摘み取られたばかりのゴーヤー、鮮やかな緑のシブイ(冬瓜)、大ぶりの島らっきょうが山積みにされていく。
農家が軽トラックで乗り付け、自らの手でコンテナから売り場へ商品を補充する姿は、この場所では日常の風景だ。値札シールには生産者の名前がはっきりと印字されている。「誰が育てたか」が見える安心感と、規格外品ならではの圧倒的なボリューム。これが、流通経路の長い都市部では味わえない産地直売の醍醐味にほかならない。