弊紙の独占取材に応じた是枝裕和監督は、本作の着想について意外な事実を明かした。「これまでの自分の作品像を一度解体したかった。日常の優しさではなく、極限状態で見せる人間の剥き出しのエゴを切り取ること。そこにこそ現代のリアリティがあると考えた」と監督は静かに語る。徹底したリアリズムを追求するため、脚本の細部は撮影直前まで何度も書き直されたという。
ファンの間で話題を呼んでいるのが、噂される「幻の未公開シーン」の存在だ。試写会段階で存在した約15分間の密室議論シーンについて、是枝監督は「テンポ感を考慮して苦渋の決断でカットしたが、登場人物の倫理観が完全に崩壊する最も恐ろしい場面だった」と真相を証言。配信版やディレクターズカット版での復活に期待が高まる発言となった。