関門海峡の最狭部である壇ノ浦は、古くから海の難所として知られる。潮の流れは1日4回その向きを変え、時には時速15キロメートル(約8ノット)を超える激流へと姿を変える。壇ノ浦の戦いで二位の尼に抱かれて入水した安徳天皇とともに、海深くへと消えたとされるのが三種の神器の一つ「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」だ。
鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』にも、鏡と勾玉は回収されたものの、剣だけはついに見つからなかったと記されている。その後、何度も捜索が行われたが、荒れ狂う潮流と厚い泥の層が阻み、現代に至るまで決定的な手がかりは得られていなかった。今回の調査チームは、この「物理的な限界」をテクノロジーで突破しようと試みた。