『青鬼』の物語は、とある街の郊外に佇む無人の洋館を訪れた中学生(作品バージョンや派生作によっては高校生)グループを中心に展開します。原作ゲームのバージョン(ver.1.0〜6.23)によって細部の描写やイベント分岐は異なりますが、彼らを待ち受ける過酷な運命の構図は一貫しています。
まずは、慘劇の中心人物となった主要キャラクターたちのプロフィールと、作中で辿った過酷な軌跡を整理します。
■ ひろし(主人公)
冷静沈着でずば抜けた知性を誇る本作の主人公。銀髪(または黒髪)に眼鏡をかけた理知的な少年で、オカルトや都市伝説に対しては一貫して懐疑的な立場を取ります。館内で青鬼と遭遇してからもパニックに陥ることなく、館内に散りばめられた複雑な仕掛けや暗号を論理的思考で次々と解除。最終的に館からの生還を果たす唯一の人物です。ファンの間では「なぜ中学生がここまで高度な暗号を解けるのか」「感情が希薄すぎるのではないか」と議論を呼び、青鬼ひろし正体をめぐっては「館の真の管理者説」や「過去の事件の生存者説」など数多くの考察が飛び交いました。公式小説版では、天才的な頭脳を持ちながらも過去の記憶に影を落とす繊細な内面が掘り下げられています。
■ たけし
仲間内で最も臆病な性格の少年。館に入った直後から異様な気配に怯え、序盤の段階で別室のクローゼットに逃げ込み、中でガタガタと震え続けます。この「クローゼットで震えるたけし」の姿はゲーム実況を通じてネットミーム化し、作中屈指の愛されキャラとなりました。しかしその最期は極めて悲惨です。恐怖のあまり精神を完全に崩壊させた彼は、バージョンによって青鬼たけし死亡の描写が異なり、自ら命を絶つ結末や、青鬼に捕食されて青鬼化(たけし鬼)し、かつての仲間であるひろしに襲いかかる残酷な運命を辿ります。
■ たくろう
グループのリーダー格であり、容姿端麗で行動力のある少年。一見すると頼もしい存在ですが、命の危機に瀕した極限状態において人間性の脆さを露呈します。別館や地下牢などの探索中、みかが負傷した際に彼女を見捨てて単独で逃亡を図るなど、露骨な利己主義が露わになります。この青鬼たくろう裏切りの行動はプレイヤーに強い衝撃を与えましたが、彼自身も因果応報の如く青鬼の毒牙にかかり、美形な顔立ちが無残に変貌した「たくろう鬼」として変わり果てた姿を晒すことになります。
■ みか
グループの紅一点。勝気な性格に見えながらも、怪異への耐性は低く、館の異様な空気に早くから精神的疲弊を見せていました。探索の途中でたくろうと行動を共にしますが、逃走中に負傷。たくろうに見捨てられた直後、青鬼に追い詰められます。ver.6.23などで描かれる青鬼みか死亡シーンは、カーテンの裏や別室で突如襲撃されるトラウマ演出として知られ、後に「みか鬼」となって徘徊する姿は多くのプレイヤーに深い恐怖を植え付けました。