なぜ、昭和の時代に生まれた詩が、令和のデジタルネイティブたちの心をこれほどまでに掴むのだろうか。理由は単純だ。言葉そのものが持つ「音」が、とにかく気持ちいいのだ。
「みみずの のたのた」「へびの にょろにょろ」といった、谷川俊太郎ならではのオノマトペ(擬音語・擬態語)の連続は、ヒップホップのライム(韻)に通じるものがある。現代のクリエイターたちは、この詩が持つ潜在的なビート感を見逃さなかった。ベースミュージックやローファイ・ヒップホップのトラックに乗せられた言葉たちは、教科書の中でお行儀よく並んでいた頃とは全く違う、躍動感あふれる表情を見せている。