作品の根底にあるのは、竹書房から刊行された清野とおるのコミックエッセイ『ウヒョッ!東京都北区赤羽』である。原作漫画は、著者が赤羽で出会った怪しい人々や珍妙なスポットを独自の視点とシュールなギャグで描いたルポルタージュ作品だ。ドラマ版はこの原作の世界観をなぞるだけでなく、山田孝之という一人の表現者が体験する「自己救済のストーリー」へと昇華させている。
漫画で描かれたエピソードや名物店主たちが実際に画面へ登場するシーンは、原作ファンにとっても歓喜の瞬間であった。紙面上の変人たちが実体を持って立ち現れるカオスな面白さと、主演俳優の真摯すぎる情熱とのギャップが、独特のシュールリアリズムを生み出していた。