多くの芸能人が日々の発信やSNSでのセルフィーを通じて自己ブランディングを行う現代のエンタメ環境において、池脇千鶴の佇まいは異彩を放っている。プライベートの情報を極力開示せず、私生活を神秘のベールに包むスタイルを崩さない。
私生活が見えすぎないからこそ、観客はスクリーンの上の役に完全に没入することができる。自己承認欲求が渦巻く時代にあって、作品以外の場所で過度な自己主張をしない沈黙の美徳は、彼女の演技にさらなる奥行きと説得力を与えている。不躾な噂に対しても一切反論せず作品で答える姿勢は、まさに古き良き銀幕スターの気品を感じさせる。