この歴史的建造物の正式名称は中村家住宅であり、1972年に国の最高峰の価値を認められ国指定重要文化財となった。かつて豪農としての地位を確立した中村家の屋敷内には、主屋(主家)をはじめ、離れである「アサギ」、高倉状の「フール」(豚小屋兼便所)など、当時の生産と生活が密接に結びついた建造群がそのまま残されている。
主屋の内部は、格式高い「一番座」(客間)や「二番座」(仏間)へと続き、首里の士族屋敷の影響を受けつつも、農家の機能性を融合させた独特の間取りが広がる。太い梁と柱が組み上げられた頑強な木造骨組みは、幾多の大戦や天災を免れてきた。当時の豪農がどのように客人をもてなし、どのような日常を送っていたのか、畳の香りと風の抜けを感じながら体感できる。