専門用語を極力使わず、中学生でも理解できる言葉に置き換えて説明する。口で言うのは簡単だが、これを生放送や番組収録の場で実践し続けるのは至難の業だ。池上彰の真骨頂は、膨大な取材データと長年のジャーナリズム活動で培った知識を、極限まで噛み砕いて提示する表現力にある。
多くのニュース解説番組が解説者の自己満足に陥りがちな中、池上は視聴者がどこでつまずくかを正確に見抜く。スタジオゲストが抱く素朴な疑問を拾い上げ、フリップやイラストを駆使して概念を可視化していくプロセスは、まさに極上のエンターテインメントと言える。難しい概念がスルリと頭に入ってくる感覚は、一度味わうと癖になる。