矯正後に「以前より容姿が劣化した」と感じる具体的な症状には、パーツごとに明確な医学的理由が存在します。
◆ 頬こけと面長感の強調
矯正治療中から終了後にかけて歯列矯正の頬こけの原因として最も多いのが、噛む力の低下による咬筋(こうきん)の萎縮です。装置の痛みや食事制限によって固いものを噛まなくなると、エラ周辺の筋肉が細くなり、頬骨の下が窪んで見えます。これに加えて歯列が内側に狭まることで、顔全体が縦に伸びたような歯列矯正による面長感を助長させます。
◆ 人中(鼻の下)が伸びて見える錯覚
出っ歯(上顎前突)を治すために前歯を大きく後退させた際、歯列矯正で人中が伸びたように感じる現象が頻発します。これは実際に皮膚の長さが物理的に伸びたのではなく、前歯によって前方に押し出されていた上唇が後退し、傾斜が緩やかになることで、鼻の下の平面的な面積が視覚的に広く強調されてしまうためです。
◆ ほうれい線がくっきりと目立つ現象
前歯周辺のボリュームが減ることで、口元を覆っていた皮膚が余り、たるみとなって現れます。これが歯列矯正でほうれい線が目立つ代表的なメカニズムです。特に30代以降の成人矯正では、肌の弾力低下と相まって口元の影が濃くなり、「老け顔になった」という印象を決定づけてしまいます。