議員宿舎の設置根拠となっているのが「議員宿舎法」だ。同法は、国会議員の職務遂行を円滑にし、地方選出議員の東京における活動拠点を確保することを主目的に据えている。災害や有事の際、即座に国会や首相官邸に集結できる体制を整えるという防災上の意義も強調されてきた。
だが、運用実態を見ればその理念は著しく形骸化している。東京近郊や首都圏に立派な自宅を所有している議員が赤坂宿舎に入居しているケースや、単身赴任用でありながら家族や関係者を頻繁に出入りさせている実態が幾度となく表面化してきた。
衆議院と参議院でも宿舎の立地や設備格差があり、各会派内での部屋の割り当てをめぐる駆け引きも絶えない。衆議院議長をはじめとする議会運営幹部に対して、入居要件の厳格化や罰則規定の創設を求める声は多いが、抜本的な制度見直しは先送りにされ続けているのが現実だ。