1993年の放送開始当時、夜のラジオ空間は大きな転換期を迎えていた。それまでの落ち着いたトーンや深夜の静寂を好む番組構成に対し、赤坂泰彦が持ち込んだのはクラブDJさながらのグルーヴ感と息をもつかせぬスピード感だった。全国ネットの帯番組として放送された『赤坂泰彦のミリオンナイツ』は、地方都市の若者から都市部の学生まで、同じ時間に同じ音楽の熱狂を共有させる圧倒的な一体感を生み出した。
音楽番組としての完成度も極めて高かった。曲と曲の繋ぎ、曲紹介のイントロ乗せ、テンポよく差し込まれるジングル。そのすべてが精巧に計算されつつも、生放送ならではのライブ感に満ち溢れていた。ラジオというメディアが持つ「即興の美学」を極限まで引き上げたスタイルは、同時代の若者文化と強力にシンクロしたのである。