自動車搬送の現場で単に「ローダー」と呼ばれる車両の正式名称は、道路運送車両法上の「車載専用車(車両運搬車)」に該当します。一般的に「積載車」と呼ばれるカテゴリーのなかでも、特に油圧機構を備えた荷台を持ち、自走またはウインチ牽引によって車両を荷台上に引き上げて搬送するトラックを指します。
一般ユーザーの間で最も混同されやすいのが、レッカー車との決定的な違いです。レッカー車はブームと呼ばれるクレーン機構やアンダーリフトを用いて、故障車や事故車の前輪(または後輪)を吊り上げ、残る車輪を地面に接地させた状態で「牽引(けんいん)」します。一方、ローダー車は四輪すべてを荷台の上に載せる「完全積載」方式を採ります。
四輪駆動車(4WD)や電子制御式パーキングブレーキが固着した車両、あるいは足回りが大破した車両は、車輪を回転させながら牽引すると駆動系やトランスミッションに致命的なダメージを及ぼします。そのため、現在のロードサービスや自動車輸送の現場では、車輪を痛めずに運搬できるローダー車が主力を担っています。
また、建設現場や土木工事で土砂をすくい上げる重機に「ホイールローダー」が存在しますが、こちらは道路運送車両法において「特殊自動車(大型・小型)」という別枠のホイールローダー 車種区分に属します。日常会話で「車のローダー」と呼ぶ場合は、土木建機ではなく乗用車や商用車を運ぶトラック(積載車)を指している点に留意が必要です。