日本語の基準を示してきた岩波書店の『広辞苑 第七版』を開くと、言葉の境界線が見えてくる。「承認」が「事実や主張を正当と認めること」と説明されるのに対し、その対義語も用途ごとに細かく枝分かれしているのが特徴だ。
ネット辞書の代表格であるコトバンクなどのデータベースを参照しても、実務と学術で提示される優先順位は異なる。出版・情報サービス産業の現場でも、校正段階で「否認」と「不承認」の書き分けには厳しい目が向けられる。前者は存在や事実関係の否定、後者は手続上の判断拒否。この違いを理解していないと、公的な文書で恥をかくことになる。