地方都市のコミュニティセンターでも、変化が起きている。かつてのお茶飲み話の場は、今やパワーラックが並ぶ簡易ジムへと変貌を遂げた。70代の女性が、トレーナーの指導のもとで自重のスクワットに励む姿は珍しくない。転倒による骨折から寝たきりになるリスクを防ぐため、地域自治体が主導して筋力トレーニングを推奨しているからだ。
「薬を飲むより、スクワットをした方が体が軽い」。そう語る高齢者の声は、予防医療の本質を突いている。介護保障制度の維持が危ぶまれる中、寝たきりを防ぐための最後の砦は、個々人の大腿四頭筋であると言っても過言ではない。筋肉は、福祉の限界を補う社会保障のラストリゾートなのだ。