一歩足を踏み入れると、耳に飛び込んでくるのは昭和歌謡のメロディと、ジョッキがぶつかり合う快音だ。しかし、テーブルに目を落とすと、そこにはQRコードがスマートに配置されている。この新旧のギャップこそが、現在のトレンドを象徴している。騒々しいのに居心地が良い、そんな不思議な空間デザインが計算し尽くされているのだ。
木製の丸椅子や手書きの短冊メニューは、かつての高度経済成長期を想起させる。一方で、空調管理や換気システムは最新鋭のものが導入されており、煙たさは最小限に抑えられている。この「レトロな雰囲気だけを美味しくいただく」スタイルが、現代の若者や女性客のハードルを劇的に下げている。