連載開始から長い時間が経過した2026年現在でも、『美醜の大地』が名作として語り継がれる理由は、単なる刺激的な描写に頼らない人間描写の深さにある。美醜という、誰もが多かれ少なかれ抱えるコンプレックスをテーマにしているからこそ、読者はキャラクターに感情移入してしまうのだ。
また、昭和初期という激動の時代背景が、個人の復讐劇に歴史的な重みを与えている。社会のシステムや価値観に翻弄されながらも、自分の力で運命を切り開こうとした(たとえそれが破滅への道であっても)女性たちの生き様は、現代の読者の心にも強く響く。