古着好きの心を掴んで離さないのが、襟元に鎮座するタグの歴史的変遷である。70年代を代表する「単色タグ(赤単タグ)」、80年代の「トリコタグ」、そして90年代の「刺繍タグ」。年代によって素材の配合比率や縫製のディテールが細かく異なり、それぞれの時代背景を雄弁に物語っている。
特に70年代初頭の赤単タグ期に作られたモデルは、ヴィンテージアパレル市場において絶大な人気を誇る。ミリタリーモチーフである「USAFA」(空軍士官学校)や「USMA」(陸軍士官学校)のリフレクタープリント、あるいは染み込み3段プリントが施された極上コンディションの個体は、オークションで数万円から数十万円という驚異的なプレ値推移を見せている。
なぜこれほどまでに高騰するのか。理由は単純、現存する数が急速に減少しているからだ。状態が良いミリタリー物やビッグサイズは市場から急速に姿を消しており、コレクター間での争奪戦は過熱の一途をたどっている。