彼女の歩みを振り返る上で、絶対に外せない伝説的な作品がある。1995年に放送され、社会現象を巻き起こした名作『愛していると言ってくれ』だ。聴覚障害を持つ新進画家と、劇団員として健気に夢を追うヒロインの切ない恋を描いたこの金字塔は、日本中を空前の旋風へと巻き込んだ。
相手役を務めた豊川悦司との息をのむようなセッションは、言葉のない手話でのやり取りの中に濃密な情感を宿らせた。台詞のない時間がこれほどまでに雄弁で、切なく心に迫るものか。手話という「手」と「表情」による対話は、当時の視聴者の感情を揺さぶり、平均視聴率20%超という異例の大ヒットを記録。恋愛ドラマの歴史に燦然と輝く名シーンの数々は、いまなお色あせることなく語り継がれている。