腸閉塞で亡くなった有名人の事例から学ぶ危険な予兆とは、一体どこにあるのか。急変リスクと見逃されやすい初期症状の真相を深掘りすると、恐るべき病理メカニズムが浮かび上がる。早期発見こそが命を救う最大の鍵であり、最新の医療見解を踏まえた実例の把握が欠かせない。
腸閉塞(イレウス)には、腸の動きが低下する麻痺性と、物理的に腸管が塞がる機械性の2種類が存在する。とりわけ致死率が高いのは、腸管の血流が途絶える「絞扼性(こうやくせい)腸閉塞」だ。血流が遮断されると、わずか数時間で腸組織が壊死。そこから毒素や細菌が全身に漏れ出し、敗血症性ショックを引き起こして死に至る。
見逃してはならない初期の危険シグナルは以下の通りだ。
・突発的かつ激しい周期的な腹痛(間欠痛から持続痛への変化)
・おなら(ガス)や便が完全に停止する
・お腹が太鼓のように異常に張り、触れると激痛が走る
・胃液や胆汁、進行すると便臭のする吐瀉物を嘔吐する
・冷や汗、頻脈、血圧低下などのショック兆候
日本消化器外科学会の指針でも指摘されている通り、絞扼性の場合は一刻の猶予もない。「痛みが引いた」と感じても、それは神経が壊死したことによる一時的な麻痺であるケースがあり、その直後に急変して命を落とす罠が潜んでいる。