『幼獣マメシバ』で開花した系譜は、さらなる進化を遂げる。その到達点とも言えるのが、実力派俳優の渋川清彦が主演を務めた『柴公園』だ。古い公園のベンチで、名前も知らない飼い主のおじさんたちが柴犬を連れて集まり、他愛もない無駄話に興じる。ただそれだけの物語でありながら、一度見始めると目を離せなくなる不思議な魅力に満ちている。
渋川清彦の自然体な演技と、それぞれの愛犬が見せる気まぐれな仕草。劇中では、人間側の身勝手な悩みなど露知らず、マイペースに佇む柴犬たちの存在が圧倒的な癒やしを放つ。映画化やドラマ界において「おじさん×動物ドラマ」という黄金の方程式を決定づけた本作は、日常の喧騒から離れたい現代人にとって、究極の脱力コンテンツとして確固たるポジションを確立した。