茶摘み手遊び歌の全貌|八十八夜の真意と保育・高齢者レク実践術

茶摘み手遊び歌の全貌|八十八夜の真意と保育・高齢者レク実践術

茶摘み手遊び歌の全貌|八十八夜の真意と保育・高齢者レク実践術の特集記事を解説します。専門的な知識が詰まっています。

「夏も近づく八十八夜」という歌い出しで誰もが知る「茶摘み」は、1912年(明治45年)刊行の『尋常小学唱歌(三)』に掲載されたのが公式な初出です。作詞・作曲者は当時の文部省唱歌の通例に倣い「文部省唱歌」として無記名扱いとなっていますが、その旋律は京都・宇治などの茶どころで歌われていた労働歌や民謡をベースに編纂されたと考えられています。

歌詞に登場する「八十八夜」とは、二十四節気の「立春」から数えて88日目にあたる日を指します。現在の太陽暦では毎年5月2日頃(閏年は5月1日頃)に該当し、まさに新茶の摘み取りが最盛期を迎えるタイミングです。

古来、農村部では「八十八夜の別れ霜」と言われ、この時期を過ぎると農作物を枯らす遅霜の心配がなくなるとされてきました。同時に「八十八」という漢字を組み合わせると「米」になることから、豊作を祈る極めて縁起の良い節目としても重宝された歴史があります。

また、1番の歌詞にある「茜襷(あかねだすき)に 菅(すげ)の笠」は、かつて茶摘みに従事した女性たちの伝統的な晴れ着姿を描写しています。茜色に染めた赤い襷は、害虫を寄せ付けない防虫効果や邪気払いの意味を持つ実用的な作業着であり、春の陽光の中で茶摘みに励む活気ある人々の姿を鮮やかに切り取っています。

さらに、八十八夜に摘まれた新茶(一番茶)は冬の間に蓄えられたアミノ酸やテアニンが豊富に含まれており、これを飲むと「一年間無病息災で長生きできる」という言い伝えが日本各地に定着しました。単なる季節の描写にとどまらず、人々の健康への祈りと農耕の知恵が結実した文化的資産といえます。

石川 優花
Author

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。