機内盗撮に対する司法の対応は、2026年7月13日に施行された「性的姿態撮影処罰法(正式名称:性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律)」によって歴史的な転換点を迎えました。
それまで、盗撮の取り締まりは主に各都道府県が定める「迷惑防止条例」に依存していました。しかし、数千メートル上空を高速で飛行する航空機内では「どの都道府県の領空上で犯行が行われたのか特定が困難」であり、さらに公海上を飛行する国際線では日本の条例を適用できないという、致命的な「法の空白地帯」が存在していたのです。
現場の客室乗務員や労働組合が「悲願」として長年訴え続けてきた統一的な法整備が実現したことで、撮影罪(性的姿態等撮影罪)が創設されました。これにより、日本国内を飛行する航空機内はもちろん、日本登録の航空機内であれば上空や国外であっても法が適用される体制が確立されました。
法定刑には「3年以下の拘禁刑(旧懲役刑)または300万円以下の罰金」が科され、単なる撮影にとどまらず、撮影した画像・映像の提供、保管、不特定多数への送信に対しても厳格な罰則規定が敷かれています。常習性や営利目的が認められた場合には最高で「5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金」へと引き上げられるなど、機内盗撮は明白な重罪として社会的に位置づけられました。