「ハサミを入れるのが怖くて、どれを切ればいいのか分からない」という声は園芸現場で最も多く聞かれます。失敗する人の共通点は、残すべき有望な主幹候補を切り落とし、本来間引くべき細く弱った無駄枝を残してしまう点にあります。樹勢を損なわず、果実の品質を最大化するために切るべき枝は以下の4つに明確に分類できます。
まず1つ目は、「収穫を終えて消耗した結果枝の先端」です。今年実をつけた枝は養分を使い果たしており、その枝先から来年良い実がつくことはありません。実がついた痕跡のある小枝は、元から間引くか、基部の元気な元気芽の直上で切り戻します。
2つ目は、株元から垂直に突き出す「暴れた徒長枝(シュート)」です。地際から発生するシュート(サッカー)や、主軸の途中から天に向かってロケットのように伸びる太い徒長枝は、放っておくと1.5メートル以上も伸び続け、樹形を崩壊させます。しかし、これを根元から切ってしまうのは大誤解です。このシュートこそが2〜3年後の主役となる更新枝です。適切な高さで先端を切り落とすことで、収穫枝へと変貌させます。
3つ目は、「内向枝(ないこうし)と交差枝」です。株の内側、中心部に向かって伸びている枝は、葉が茂ると完全に日照を遮断します。外側へ向かって広がる枝を優先し、内側へ向かう枝や、隣の太い枝と擦れ合っている枝は根元から間引きます。
4つ目は、爪楊枝ほどの太さしかない「割り箸以下の細小枝」です。株元付近や日陰に生えているヒョロヒョロとした小枝は、光合成による生産量よりも呼吸によるエネルギー消費量が上回る「マイナス枝」となります。これらは花芽がついたとしても小豆大の酸っぱい実しかなりません。迷わず根元から切り落とすのがプロの鉄則です。