このパンの本当の面白さは、袋から取り出した後に始まる。スライスされた猫の顔は、購入者にとって一枚の白紙のキャンバスだ。チョコペンで目を描き、フルーツでヒゲをあしらい、ジャムで彩る。毎朝、世界中の食卓で個性豊かな「アート作品」が生まれ、SNS上に投稿されている。
企業が一方的に完成品を提供するのではなく、消費者が自ら手を加えて完成させる余白を残した設計。これがユーザー生成コンテンツ(UGC)の爆発的な増加を生んだ。子供と一緒に顔を描く家族の風景や、パートナーへのサプライズ朝食など、パンを介して生まれるコミュニケーションそのものが、ブランドの付加価値となっている。