単体での音楽鑑賞にとどまらず、壁掛けスピーカーは住まい全体のIT基盤と融合し始めている。照明やエアコン、音声アシスタントと連携するスマートホーム環境において、壁面に固定されたスピーカーはハブ(中心軸)としての役割を果たす。ハンズフリーでの音声操作や、帰宅と同時に好みのBGMが自動再生されるシステムなど、住まいそのものが音を奏でるような体験が身近になった。
さらに、複数台の壁掛けスピーカーを左右および後方に配置することで、本格的なホームシアターを構築することも容易だ。近年映画配信サービスでも標準化が進むDolby Atmosなどの立体音響フォーマットに対応したモデルを選べば、頭上や背後から音が押し寄せるサラウンド空間が壁面だけで完成する。床に一切のケーブルやスタンドを置かない軽快なサラウンドシステムは、現代の住宅事情に最も適したシネマ体験と言える。