「不妊治療のための休職では傷病手当金が一切もらえない」という噂が広まる背景には、健康保険法が定める給付趣旨が関係しています。傷病手当金は、あくまで「業務外の病気やケガの療養のため、働くことができない状態(労務不能)」を保障する制度です。
そのため、体調に異変がない状態での検査や人工授精、採卵のための定期的な通院・通院に伴う自己都合の休職は、法的な「病気による労務不能」とはみなされず、不妊治療の休職で傷病手当金がもらえない理由の典型例となります。
しかし、治療の過程で重い副作用が生じた場合や、ホルモン剤投与の影響で心身に重篤な症状が現れ、ドクターストップがかかった場合は話が別です。「治療そのもの」ではなく「治療に伴って発生した身体的・精神的疾患による休業」であれば、正当な受給権利が発生します。この境界線を正しく把握しておくことが、最初のステップです。