マップ上の投稿件数において、近年急増しているのが事件性の高い殺人や自殺ではなく、誰にも看取られずに息を引き取る「孤立死」や「孤独死」の痕跡だ。死後数週間が経過して発見されたという記述が、大都市圏の住宅街を埋め尽くしている。
これは単なる物件情報のアップデートではない。日本社会が抱える単身世帯の肥大化と、地域コミュニティの機能不全を示す冷徹なデータだ。近隣住民すら知らなかった隣人の死が、ネット上の地図によって初めて「公知の事実」となる。都市の孤立という病的構造が、皮肉にもデジタルマップの上に鮮烈な赤色となって浮かび上がっている。