八代将軍徳川吉宗の時代、享保元年に産声を上げたこの茶舗の根底には、初代・光安新兵衛が抱いた「誠実な一杯を届ける」という強い志が脈々と流れている。博多は古くから大陸との交易の玄関口であり、独自の文化が花開いた街だ。その歴史の渦中で、一貫して上質な茶葉の選定にこだわり続けてきた。
かつて安土桃山時代に千利休が完成させた侘び茶の哲学は、この店の茶造りにも色濃く反映されている。派手さや奇をてらうことなく、素材が持つ本来の旨味と香りを極限まで引き出す。老舗茶舗・伝統日本茶文化の神髄は、変化の激しい現代においてこそ、人々の心に深く沁み渡る豊かな価値を提供している。